1. 越境状態の認識と種類

不動産の調査をしていると、庭に植えられた木の枝や屋根の一部が隣地にはみだしている状態(越境)を目にすることが時々あります。

越境物とは土地の隣地との境界をはみ出している物のことです。

越境物には色々な物があります。たとえば、境界線近くにある植木が年月と共に次第に大きくなっていった結果、枝の一部分が隣地側にはみ出している所がある。

屋根の一部分が境界線を越えてしまっているとかがあります。

2. お隣との良好な関係と越境問題

昔から仲がいいお隣さんの当事者同士なので、このままずっと良好な近所付き合いを続けていきたいと思い、越境に気づいていても言いずらくてそのままにしている人がいたり、越境に対して話し合いをして、お互い問題にしないようにしている場合もございます。

この先もずっと住むから大丈夫と思っていても、そのような不動産が売却や相続によって所有者が変わた場合に、後になってトラブルになってしまうことがあります。

越境させている側は、今まで何も言われてなかったことが当たり前になっていて悪く思っておらず問題になることもなかったので、この先もこのままでいいだろうと思っている方もいるかと思います。

しかし、新しい買主さんの立場になって考えてみれば、自分の土地に他人の所有物がある状態を目にすると不愉快になる人がほとんどなんじゃないかと思います。

私も越境をされている側だったら、少しだけだからまあいいか とは思うことができませんね。

3. 不動産取引における越境問題の注意点

隣地の方へ越境物の解消をお願いした場合、植木の枝などでしたらすぐに対策していただける場合があると思いますが、屋根などが越境している場合には、費用も多くかかるので、すぐには対策していただけない場合があります。

こういった場合は、例えば、将来建物を建て替える時に越境物の解体をするという覚書を交わすことなどが必要です。

不動産売買をお考えの方で越境がある場合は、後々トラブルに発展させないために越境物は売買契約の前に対策しておくことが必要になります。